スペインの新型コロナウイルス助成金の仕組み
会社員や個人事業主へ使った助成金がすでに130億ユーロにのぼることをスペイン政府が明らかにしました。日本では助成金詐欺が話題ですが、スペインではどんな仕組なのでしょうか?
■ 個人事業主の助成金の仕組み ■
私達ガイドは個人事業主(=自営業者=フリーランス)ですが、自分が払った国民年金(掛け金は自由に選べる)に応じて助成金が支払われています。申請先は
各自が民年金と一緒に加盟している保険会社へ。
これは別途に保険会社に入るわけではなく、全員がどこかの保険会社に振り分けられています。私達は健康保険と国民保険が一緒になった保険料を支払っていますが、そこに保険会社も自動的についてくるのです。
この保険会社の数は多く、私の知るガイド仲間たちは全員違う会社に入っています。数が多いために1か所に集中せずに支払いが大変スムーズという利点がありました。私はギリギリに申請しましたが、なんと4日後には振り込まれびっくり。
ガイド仲間ともスペインらしからぬスピード振り込みが話題となりました。
一方、一時帰休(ERTE)の会社員は社会保険から一括なので、時間がかかりました。個人事業主より2か月ほど遅れた5月頃に振り込まれた会社員が多かったです。
システムの漏れのため、10月現在まだ支払われていない人も複数知っています。
またスペインは役所関係の多くが、ネット上での手続きとなりました。直接問い合わせに行くにも行けない状態で、余計に遅れがあったと思われます。
■ 個人事業主の持続化給付金・助成金の審査と書類 ■
個人事業主の助成金(持続化給付金)の申し込みの書類ですが、最初は①なんの審査もなく、国民保険料(国民年金含む)の滞納がない旨などの提出のみ。もしくは
②1昨年と同じ時期の70%収入減になったことを証明する書類が必要でした。①か②かは登録済みの職種カテゴリーによります。
ガイドの中でも、観光業で登録されていた人は①無審査でしたが、通訳(通訳ガイド)で登録していた人は②書類提出でした。
助成金は何度か延長しましたが、延長といっても、新しく書類を提出し、新しい審査が行われます。条件や提出書類も若干変わる場合もあります。
また非常事態宣言が終わったあとは、①の無審査で申請できるものはなく、②の去年との比較で70%収入減のみ、となりました。
■ スペインでも助成金詐欺・不正受給はある? ■
私の保険会社の場合、途中で、虚偽が判明したら全額返金である旨の厳しい口調のメールが届き、WEBのトップページに
「申請をキャンセルする人は受け付けます」
と出てきたので、
スペインでも不正受給・詐欺まがいのことが発覚したのでしょう。現在では税務署への過去記録を保険会社がアクセスすることの同意者にサインも必要です。
全体に日本と同様、素早く支払うことを目的とし、申請時にはさほど調べてないと思われますが、あとでしっかり調べそうな勢いです。
■ スペインはちゃんと調べるの?? ■
スペインは、ごまかす人が多いのか、普段から、税務署の調査が私達のような弱い者にも入ります。私自身も、ガイド仲間も、スペイン在住者の掲示板でも、
監査が入った話、日本のわずかな金額の銀行口座について数年前の調査が入った話まで、「よくこの手の話を聞く」ので、税務署は本当によく調べています。
私も、数年前の帳簿と、全レシートをスキャンして10日以内に電子送信しろ、などというメールを受け取り、結果、なにもお咎めは受けなかったのですが、
忙しい時だったので、準備に大変な思いをしました。スペインでは6年間請求書や領収書の保存の義務がありますので
6年前まではまだ調べられる可能性があるということですね。
今回は最初に必要書類の提出が少なかったので、便乗申請もいたかもしれませんが、すでに税務署に登録済みの職種カテゴリーが重要だったので、
日本のようにまだ働いていない大学生が便乗申請という事態は生まれなかったと思います。
■ いつまでもらえるの?? ■
助成金は有り難いことに1月末まで延長となりました。この援助は毎月振り込まれています。もう7か月!ありがたいです。
私達ガイドは、
有り難いけれど、経済回復したら、税金がさらにあがるでしょう。もともと所得税は日本よりもだいぶ高いです。
新聞La Vanguardiaの記事はこちら。
ニュース一覧に戻る / ▲ページ最上部へ戻る
/ へ戻るPLAN / HOW / NEW / GUIDE / BCN / G / BUY